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「Hello Sadness」と、「悲しみよ こんにちは」


7thアルバムの1曲目、「Hello Sadness」。
どこか幻想的なイントロから始まる曲です。
そこからすーっと盛り上がり、けれど歌い出しはぐっと下がる。
ただただ、かっこいいです。そして惹きこまれます。

この曲名からすぐに、ある作品と結びついた方もいたかと思います。
もしくは、曲を聴き始めてから「あぁ、あの本か!」と。


サガンが登場するのは、1番のBメロです。

 君の傍で眠った日々 遠出の後に語った未来
 今もまだサガンを読むたび 波の音聞えてくるみたい

ここでいう「サガン」はもちろん、その作品「悲しみよ こんにちは」のことでしょう。
作品の舞台は真夏のフランス。
地中海のほとりの別荘でヴァカンスを過ごす男女5人の物語です。
これだけでもう、何か起こりそうな気がしませんか?
この曲の主人公も、真夏の海辺で「君」と出会ったのかもしれません。
そして、別れ。
思い出すのはあの熱い「陽射し」と「熱情」なのでしょう。


 幸福(しあわせ)の中 不安があって 躊躇(ためらい)の向こうに期待がひそむ
 生命の中にあるから 哀しみの眩しさに惑う

タイトルにもある「悲しみ」は、作品の中で大きな意味を持っています。
核とでもいいましょうか。
ここで七さんが「哀しみ」と表記したのは、敢えてのことなのだろうと思います。
以前書いたかも知れませんが、私は七さんの対比の書き方が好きです。
真逆なようで、でもそういえば…と思わせる。
「生命の中にあるから」のフレーズには、ほっとするような感覚にもなります。


核といえばもう一つ、この作品で重要な言葉があります。
作中で引用されている、オスカー・ワイルドの言葉です。

 <罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である>(訳・河野万里子)

私はすぐに、「あぁ、七さんの詞らしいな」と思いました。
そして、1拍遅れて浮かんだのはこの曲の歌詞です。

 色彩(いろ)を放つ罪だけが揺るぎなく現在(いま)を照らすよう

Dメロの印象的なフレーズは、ワイルドの言葉からだったのですね。
変則的なメロディーと相まって、とても印象に残るフレーズです。


実は作中のワイルドの言葉を読む前、まず彼の名前が出てきたときに私はどきっとしました。
というのも、七さんが彼の作品を好きであると明言しているからです。
彼の作品をモチーフとした曲もあります。
けれどまさか、他のモチーフ作品でワイルドの名を見るとは思いもしませんでしたね。
どきりとしつつ、「七さんとワイルド」のつながりを知るファンには、ちょっとにやりとしてしまうことでした。



【書誌情報】

サガンの本を何冊か読んでから、とも思ったのですが、結局はこの1冊だけになりました。

「悲しみよ こんにちは」
 フランソワーズ・サガン [著]
 河野万里子 [訳]
 新潮社(新潮文庫)

翻訳本はどこか苦手…という意識は、昔から(子どもの頃から?)私の中にあります。
そんな私でも、この本はとても読みやすかったです。
河野さんの訳のおかげかもしれません。
そして、「日本人とは違うなぁ」とあまり感じなかったことも大きいと思います。
国も文化も言葉(表現)も違えど、主人公セシルの考え・感覚は、どこか分かるような気がしました。

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コメント

遅ればせながら。。

こんばんは!
けいさんのこの記事が、楽曲と作品をきちんと捉えていてあまりに素敵なので、私の感想なんて書いていいのか迷っていました。
なるべく多くの文章に対してコメントしたいのですが、いかんせん文才がないので、書ける部分だけ書いてみようと思います。

‘どこか幻想的なイントロ’という言葉は、自分にない感想だったので驚きました。
何かが起こりそうなイントロだなと思っていたのですが、改めて聴くと幻想的な印象も伺えますね。
力強いリズムで、‘ただただ、かっこいいです’の言葉にはとても共感しました♪
1番Bメロは、幸せな日々からの別れの切なさにしみじみしました。

>「哀しみ」と表記したのは、敢えてのことなのだろうと思います。
 きっとそうですよね。
 「悲しみ」ほど大きなものじゃなくて、ちょっと違うんだろうなって。
 考えても難しいけど・・・ちょっとした切なさとか痛みなのかな・・・。

Dメロがワイルドの言葉とは知らなかったのですが、けいさんがおっしゃるように印象的ですよね。
それこそ光り輝いているようなサウンドに聴こえます。

私はモチーフ作品をほとんど読んでいないのですが、その作者とは別の人の名前が出るってめったにないことですよね。


う~ん・・・やっぱり私が作品を読んでいないからコメントに悩んじゃうのかなと思いましたね(^_^;)
けいさんの言葉に感嘆しつつ、共感できるところもあるからこそ、自分の言葉で言い換えて伝えなくてもいいんじゃないかなと感じたり・・・。
とはいえそれでもコメントを交わせると嬉しいので、「JUDY」に関しても近いうちにコメントさせて頂きます。
読んでくださってありがとうございました!

奈里さんへのお返事


奈里さん、こんにちは(^^)
いつも丁寧に私の記事を読んでいただきありがとうございます☆
そのお心遣いがコメントに表れていて、本当に嬉しくなります!

私もコメントをしに行く立場でもありますから、奈里さんのおっしゃることがよく分かります。
こんなコメントしていいのかな…とためらうことはありますよね。
ただ、私のブログに関しては、そんなこと考えなくていいですからね!
一言だけでも、長文になってしまっても、気にしないでおしゃべりしに来ていただけたらと思っています。


アルバム1曲目のイントロなので、無意識にそのアルバムのイメージを感じ取っているのかもしれません。
「STAY」は、私の中でどこかフワフワとした、地に足の着いていない印象のアルバムなんですよね。
(以前、「印象が薄い」という書き方をしたかもしれません)
そこから幻想的というイメージにつながったのかな…
なんて、自分の思考をまた思考しなおしてみたり(笑)

>「悲しみ」ほど大きなものじゃなくて
なるほど、大きさの違いというのもありますね。
もしくは程度、でしょうか。
言葉一つでも「どういう意味合いだろう?」と考えてしまいますよね。
それもまた楽しいのですが(^^)


「JUDY」にもコメントを!ありがとうございます★
先述しましたが、「共感したよ」と一言残してくださってもいいですよ。
気負わずにふらりとお立ち寄りくださいね!

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